『終活』の上級資格者が語る! 『終活』初心者に寄り添うお助けブログ゙! の第四弾となります。
これまで「背景」「医療」「介護」に関して書きましたが、今回は「葬儀」がテーマとなります。
「葬儀」は、だれにでもおとずれる儀式ですが、「葬儀」はどのようにしたら?などわからないことが多いのではないでしょうか。
なるべくなら後回しにしたい儀式ですが、事前に考えておくのがいざというときに焦らずにすむのではないかと思います。実際私の場合、父の葬儀のときには、何もわからずに、言われるがままに進んでいった記憶しかありません。
現在の「葬儀」事情について調べてみました。
葬儀・葬儀社の現状は?
葬儀とは、一般的に2日間にわたって行われるお別れの儀式のことです。
・葬儀の形式:神道2% キリスト教1% 無宗教1% 他1% ⇒仏式95%
1日目はお通夜、2日目は葬儀・告別式と分かれています。
近年増加している直葬(火葬式)とは、通夜や葬式などの宗教的な儀礼を行わず、安置所(病院や自宅など)から火葬場へ直行するお別れの方法です。
家族葬と直葬を誤解される方もいますが、家族葬は身内だけでお別れする方法ですが、宗教的な儀式を省くとは限りませんし、自宅葬では安置する場所が自宅と言うだけで祭壇等は設置し、会葬者を迎えるいわば葬儀の種類になりますから、安易に安価で済むとは限らないようです。
直葬(火葬式)が伸びている理由は「高齢化」「儀礼の簡素化」「一般家庭の年収減少」、 また、宗教離れが進み、葬儀に限らず冠婚葬祭全ての儀礼が簡素化する傾向にあり、直葬(火葬式)が増加している要因になります。(直葬は約2割と一般の葬儀を行う割合より、年々増えています)
ご逝去後には、いろいろな届出があります。
私の体験では・・・
父が亡くなった後・・・どうしたのか記憶に全く残っておりません。
母が全部処理した?・・・本当にわかりません。(その母も介護状態ですが)
亡くなってから届け出が必要な種類ですが・・・あまりの多さにびっくりです。
届出には期限もあり、やはり事前に確認しておく必要があるのではないでしょうか。
主な届出の種類
- 死亡届
- 死体火葬許可申請書
- 年金受給停止
- 介護保険資格喪失届
- 遺言書の検認
- 相続の放棄
- 国民年金の遺族基礎年金請求
- 国民年金の寡婦年金請求
- 国民年金の死亡一時金請求
- 厚生年金の遺族厚生年金請求
- 健康保険の埋葬料請求
- 国民健康保険の葬祭料
- 高額療養費の申請
- 労災保険の埋葬料請求
- 労災保険の補償給付
- 生命保険金の請求
- 医療保険の請求
- 簡易保険の請求
- その他保険の請求
- 免許証
- パスポート
- 各種クレジットカード
- 携帯電話
- プロバイダー
- SNS
- 郵便
- 印鑑登録カード
- 無料バス券の返却
- 所得税準確定申告
- 扶養控除異動申告
- 医療控除による税金の還付手続き
- 相続税の申告
- リース契約
- レンタル契約
- ローン契約、他
変更が必要な手続き
- 土地
- 建物
- 預貯金
- 株式
- 会員券
- 自動車所有権移転
- 電話
- NHK
- 電気
- ガス
- 水道等の名義
- 引落しの口座変更
- 世帯主の変更、他
葬儀社はどうやって決めるの?
私の体験では・・・
父が病院で亡くなり、担当医から死亡理由など聞いた後、「葬儀社は決まっていますか?」との質問がありました。
亡くなった後で、動揺もあり、全く答える事ができなかったことは記憶にあります。
確か、「これから考えます・・・」くらいは答えたと思いますが、何も考えていませんでした。
これが現状でした。
結局自宅に帰り、電話帳(今では希少です)で葬儀社を調べ、自宅で葬儀(今では希少です)を行いました。今とは、時代の違いを感じます。
参考まで今の葬儀社に関して調べてみました。
少し古いデータですが、2013年の実態で、冠婚葬祭業で全国事業所数 1万109事業所、従業者数 16 万 8303 人、年間売上高 2 兆 7959 億円となっています。
その中で葬祭の部分だけを見てみましょう。葬儀業務の年間売上高は、2兆1584億円という市場規模が読み取れます。
冠婚葬祭業の詳細はこちら⇒(特定サービス産業動態統計調査)
葬儀業界 売上高ランキング(2018 – 2019年)
企業名 | 売上高(億円) | |
1 | 燦HD | 207 |
2 | ティア | 123 |
3 | 東京博善 | 87 |
4 | サン・ライフHD | 86 |
5 | 平安レイサービス | 85 |
6 | こころネット | 57 |
7 | ニチリョク | 16 |
葬儀社の規模や特徴は?
メリット | デメリット | |
家族経営 | 費用が安い親しみがある地元に詳しい | 大規模葬儀に向かない営業エリアが狭い社員教育が行き届いていないことがある |
中小規模 | 費用が安いバランスが良い他社と比較しやすい | 会社によってバラつきがある |
大規模 | 大規模な葬儀にも慣れている組織的な対応ができる社員教育が行き届いている立地の良い斎場を持っている安心感がある | 担当者が分業制になっていることがある比較的金額が高い |
- 専門業者
葬儀専門業者は、全国に4,000社以上で、5,000~6,000の事業所があるとされています。葬祭業全体の売上のうち半分を専門業者が占めています。
多くの事業所が従業員数10人以下の小さな組織です。新規参入する事業所も増えていますが、自社で斎場を持っていないと強みが出せません。
自社斎場がある葬儀社でも公営斎場を利用することはできますが、他の斎場は提案してくれないこともあります。
自社斎場があるかないかはさほど重要とは思いませんので、小さな葬儀社でも親身になって相談に乗ってくれるところはよいと思います。
- 冠婚葬祭互助会 全日本冠婚葬祭互助協会(全互協)
専門業者とシェアを二分しているのが冠婚葬祭互助会で、事業所数は全国に約300ヶ所あります。
互助会は会員から毎月1,000~5,000円の費用を徴収し、会員が結婚式や葬儀を行う時に積立金の一部を会員が受け取れます。
互助会は、戦後間もない貧しい時代にできた仕組みで、皆で助けあって冠婚葬祭の費用を工面しようとするものです。
互助会は現在、全国に300社以上あり、社団法人全日本冠婚葬祭互助協会がその中心になっています。
葬儀をする人の4割が互助会を利用していると言われていますが、最近は利用者が減少しています。特にネット世代の人は、自分で葬儀社を探すケースが多いです。
- JA JA葬祭
専門業者や互助会と比べるとシェアは小さいですが、資金力が豊富なJAが急速にシェアを拡大しています。
農業従事者の正会員は、多くがJAで葬儀を行います。正会員数は減少していますが、それでも組合員数は2017年時点で約1044万人(正組合員437万人、準組合員607万人)となります。
農業従事者以外でもJAに葬儀を依頼することはできますので、葬儀社選びの際の候補に入れることはできます。
- 新興勢力 イオン葬儀
生協や鉄道会社、イオンなどの新興勢力も葬儀業界に参入しシェアを伸ばしています。
生協は1988年にコープこうべが葬儀事業をスタートさせ、鉄道会社では1995年に阪急電鉄が阪急メディアックスを設立して葬祭サービスを始めました。
2009年にはイオングループが葬祭業界に参入し、系列スーパーなどに葬儀のパンフレットを配布するとともに、インターネットなどから集客を図っています。
お亡くなりになった後、どのくらいの時間で葬儀社を選定した?
没後に葬儀社を探した人の検討時間を調査したところ、まさに54%がたった3時間以内に葬儀社を決定しています。
これはご遺体を搬送する時も葬儀社にお願いする必要があるためです。
病院等でお亡くなりになると、病院の病室や霊安室から早めにご遺体を移送することを求められるため、あまりゆっくり探す時間がないというのは実情です。
葬儀社は認可制ではない。
葬儀の執行には公的な資格等の必要がなく、さらに国や地方公共団体の許認可、届出も不要です。
特別な資格がなくても、誰でもどのような会社でも「葬儀社」や「葬祭業者」を名乗って営業ができます。
そのため葬儀社ごとに内容や費用、サービスはさまざまです。
つまり、故人をお見送りする際にご遺族が後悔しないで納得できる葬儀を行うには、価値観にあった葬儀を営ませてくれる葬儀社を選ぶのかが重要です。
良い葬儀社の選び方のポイント。
良い葬儀社の選び方のポイントは様々な観点や価値観がありますが、大きく2つ、「費用」と「スタッフの対応」です。
事前相談・見積もりの際の対応
事前に内訳が明示された見積書を出し、何が含まれ、何が含まれていないかを分かりやすく説明してくださるが大切です。
また、喪主の不安や混乱を汲みとり、心情に配慮して葬儀に関わる質問に丁寧に答える、総額の予算をたてられるように導いてくれるかどうかも、良い葬儀社と判断できます。
良きアドバイザーとして様々な選択肢を示してくれる
遺族の希望を良く聞き、選択肢を示しながら要望に沿った提案をするという点も重要です。
費用を抑えるために家族葬を希望する方、葬儀社が運営する斎場以外で行いたい方など、葬儀社にとっては利益が少ない葬儀を希望する場合でも、きちんと対応をするかを見ましょう。
また、故人が「エンディングノート」にオリジナルな葬儀内容を指示している場合。
故人の終活の意向に沿うように真摯に向き合ってくれて、予算にあう選択肢を示してくれる担当者かどうかも大切なポイントかと思います。
まとめ
大切なことは故人・ご遺族が安心して納得のいく葬儀が執り行えるということ。 できるだけ、亡くなってから慌てて葬儀社を決めないことが望ましいです。
エンディングノートなどに希望など記入しておくと、いざというときに困りません。
事前にお葬式に関する知識を付ける、複数の葬儀社へ相談や店舗の見学に行くなど、余裕をもって葬儀社を選びたいものです。
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